DNAの高速解析
-DNAマイクロアレイスキャナの開発-

 DNAを調べることで,ひとりひとりの病気の性質を正しく捉え,その病気に合わせた治療(テーラーメイド医療)が可能となります.膨大なDNA情報の検出には時間がかかるため,速度向上のためにDNAチップを用いた高効率化が進められています.検出は1点ずつの検出を行っているため,検出速度の向上のために多点同時検出を行う方法を研究しています.

DNAとは

fig1
「ヒト」は細胞から構成されています.その細胞内にある核の中にDNAが潜んでいます.核の中に染色体という糸状の物質があり,DNAで構成されています.このDNAが「ヒト」の設計図となります.DNAの中には塩基と呼ばれる,アデニン(A),チミン(T),グアニン(G),シトシン(C)があり,塩基はAとT,GとCのみが結合する性質を持っています.塩基の配列を調べることは「ヒト」の設計図を調べることに当たります.

DNAの解析方法

 DNAマイクロアレイを用いて調べます.DNAマイクロアレイとはガラス基板上に数千~数十万種の配列の分かっているDNA断片を整列固定したものです.このDNAマイクロアレイと調べたいDNAに蛍光標識をしたものを反応させます.すると,AとT,GとCが対になる性質があるため,チップ上のある場所にのみ蛍光標識の付いたDNA断片が結合します.レーザを照射し,帰ってきた蛍光を見ることで,分からなかった塩基の配列を調べることができます.
fig2
DNAマイクロアレイ
fig3
このDNAの配列を知りたい
fig4 2つを反応させたものを観察し,配列を知る
fig5 このような画像をすばやく取得する
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