有気孔歯科インプラント
-マイクロ内部構造の創製-

 歯牙喪失により低下した咀嚼機能を回復する手法として,天然歯と同等の咬合力と外観を持つ人工の歯を埋め込む方法があります.積層造形と放電プラズマ焼結(SPS)を組み合わせた三次元造形プロセスにより,多孔質表面と内部のマクロ気孔およびマイクロ気孔を持った,組織再生可能なチタン製インプラントを一体成形することができます.

SPS法とは

 放電プラズマ焼結(SPS)法は,直流パルス通電法を用いた加圧焼結法の一種であり,圧粉体粒子間隙に流れる電気エネルギで試料を焼結する手法です.従来法に比べて低温,短時間で焼結可能であることや傾斜機能材料が作製可能であるといった特徴があります.
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造形プロセスの概念

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  1. 対象に合わせたインプラントの3DCADデータを作製する.
  2. 3Dデータを薄く分割したスライスデータに変換する.
  3. レーザ切断でチタンシートを層ごとの形状にし,積み重ねる.
  4. SPS法により焼結して完成.

内部構造の制御

 本手法シートを積層して三次元構造を作製するため,クローズドセルの創製など,内部構造の形態と分布の制御が可能です. また,シート材質の変更や内部構造の付加により,インプラントに傾斜的な機能を持たせることが可能となります.
fig3
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