危険速度

 回転軸が、ある回転数において激し横振動を発生し、この回転数を通過すると再び安定な回転状態になる現象を確認し、その回転数(実験値)と計算値(軸の横振動の固有振動数)との比較により、それがほぼ一致することを確認する。

A-2. 1自由度モデル

 機械には、動力伝達要素として多くの軸が使われている。本実験では、図1のような両端単純支持軸を例にとり、

1自由度近似をすると、図2のようなモデルが考えられる。ここで、回転中心と重心とのわずかな不一致を とすると、力の平衡の式は

移動量 について解くと次式となる。




A-3. 軸の固有振動数

 軸の横振動の運動方程式は、次式で与えられる。


ここで、はヤング率、 は断面二次モーメント はシャフトの単位長さあたりの質量である。長さ の両端単純支持シャフトの場合、境界条件は および となり、 次の固有振動数、振動モードは次のように与えられる。

図4は式(5)で表される3次までの振動モードを示している。

A-4. 危険速度の測定

 実験で使用する装置の概要を次に示す。

本実験では、基本振動にのみ注目する。
シャフトの質量をとすると、このシャフトの一次の固有振動数は、として以下のように求められる。

実験は軸の指定された位置に円盤を取り付け、回転数を変化させて危険速度の測定を行う。

A-5. 中間に集中質量を持つ梁の固有振動数}

 実験で測定した危険速度に対応する固有振動数を、ダンカレーの近似式を用いて計算する。円盤が2枚取り付けられた時の計算例を図6に示す。