JABEEへの取り組み
JABEEとは
JABEEとは日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education)のことで、 技術系学協会と密接に連携しながら技術者教育プログラムの審査・認定を行う非政府団体
です。1999年11月に設立されました。JABEEは文部科学省、経済産業省、国土交通省などの官界、工業や農業などの各学会、各大学、産業界などが一体となって組織したものです。
設立の動機はWTO(世界貿易機構)にまで遡ります。貿易の自由化のためのGATT(関税と貿易に関する一般協定)が世界にほぼ行きわたった今日、役務(Service)についても自由化を促進しよう(GATS)ということでWA(Washington Accord)が結ばれています。その趣旨は、役務を担う技術者の資格と能力を各国共通のものにするため、各国がそれぞれの技術者資格を相互承認しようというものです。その中心がABETでアメリカ、カナダ、メキシコで構成する技術者認定機構です。欧州にはFEANIがあります。
日本や東南アジアは、その動きに比べて立ち遅れていることから、1995年にアジア・太平洋地域の政府間でAPECエンジニアを設けることが合意されました。JABEEはその政策の中核となるものとして設立されました。つまり、JABEEは日本を代表して、世界に通用する技術者を養成する機関として適正であるかを認定する機関なのです。
日本技術者教育認定制度
同機構は「日本技術者教育認定制度」を次のように定めています。
大学など高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかどうかを外部機関が公平に評価し、要求水準を満たしている教育プログラムを認定する専門認定(Professional Accreditation) 制度です。
認定のための基準も次のように定められています。
この認定基準は、技術業に携わる専門職業人(技術者)を育成する高等教育機関における教育を認定するために定められるものであり、認定を希望するプログラムは下記の基準を全て満足していることを証明しなければならない。
なお、詳細はJABEEのホームページを御覧下さい。
機械工学科のカリキュラム体系と授業科目の流れ
明日の日本、世界の工業技術を担う若い高度専門職業人を育成することが茨城大学工学部機械工学科の使命と考えております。このため本学科では、JABEE(日本技術者認定機構)実地審査を2006年10月に受審し、2006年4月1日から2011年3月1日までの5年間の認定を受けました。また、2011年12月に認定継続審査を受審し、2011年4月1日から2017年3月31日までの6年間の継続認定を受けました。さらに、2017年12月に認定継続審査を受審し、2018年4月1日から2024年3月31日までの6年間の継続認定を受けました。
JABEE認定制度とは、大学など高度教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかどうかを外部機関が公平に評価し、要求水準を満たしている教育プログラムを認定する制度です。認定された教育プログラムを卒業した場合、社会的要求水準を満たしているエンジニアと認知されるとともに、技術士(国家試験)の第一次試験が免除されます。また、2005年6月15日に、JABEEのワシントン・アコードへの加盟が認められました。このことにより、JABEEに認定されたプログラムの修了生は、世界的にも一定水準を満足していることが認められることになります。
カリキュラム体系について

学習・教育到達目標を達成するために必要な授業科目の流れ
A. 工学に関する基礎知識と基礎技術の習得
学年 | |||||
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1年 | 2年 | 3年 | 4年 | ||
教養 | 前期 |
微分積分I 力と運動 コンピュータリテラシ 総合英語 茨城学 |
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後期 |
微分積分II 機械物理学 A 総合英語 |
環境政策系科目(環境工学) 技術者倫理 |
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専門基礎 | 前期 | 線形代数 I ◎ |
応用数学 I ◎ 数学解析 I ◎ 数理統計学 |
機械物理学 B | |
後期 | 線形代数 II |
応用数学 II 数学解析 II |
工学解析 | ||
専門 | 前期 |
機械力学 I ◎ |
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後期 | |||||
実験実習 | 前期 | 物理学実験 ◎ | |||
後期 | |||||
◎ 必修科目、○ 選択必修科目 |
B. 機械工学の根幹となる専門基礎知識の習得
学年 | |||||
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1年 | 2年 | 3年 | 4年 | ||
専門基礎 | 前期 | ||||
後期 |
機械工作法 ◎ 設計製図基礎 ◎ |
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専門 | 前期 | 機構学 ○ | 材料力学 I ◎ |
制御工学 I ◎ 流体力学 II ○ |
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後期 |
機械材料工学I ◎ 熱力学I ◎ |
流体力学 I ◎ 材料力学 II ○ 機械設計工学 ○ 機械力学 II ○ 熱力学 II ○ |
伝熱工学 ○ 制御工学II |
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実験実習 | 前期 | 設計製図 I ◎ |
機械工学実験 I ◎ 材料力学演習 ○ 熱力学演習 ○ 流体力学演習 ○ |
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後期 |
機械力学演習 ○ 材料力学 III 機械工学実験 II ◎ 設計製図 II ◎ |
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◎ 必修科目、○ 選択必修科目 |
C. 応用的・先端的・学際的機械工学に関する専門応用領域の学習
学年 | |||||
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1年 | 2年 | 3年 | 4年 | ||
専門 | 前期 |
機械加工学 ○ 機械材料工学 II メカトロニクス 流体機械工学 生体機械工学 |
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後期 | 電気電子工学 |
計算力学 ○ 熱機関工学 |
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実験実習 | 前期 |
卒業研究 ◎ 計算力学演習 ○ シミュレーション工学演習 ○ |
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後期 |
プログラミング演習 I ○ プログラミング演習 II ○ |
卒業研究 ◎ | |||
◎ 必修科目、○ 選択必修科目 |
D. 高度先端技術者のための自己能力開発
学年 | |||||
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1年 | 2年 | 3年 | 4年 | ||
教養 | 前期 | 茨城学 ◎ | |||
後期 | 機械工学ゼミナール I ◎ | ||||
専門基礎 | 前期 | 機械工学キャリアアップゼミナール ◎ | |||
後期 | 機械技術英語 ○ | ||||
実験実習 | 前期 | 機械工学実習 I ◎ |
機械工学実験 I ◎ 機械工学学外実習 |
機械工学ゼミナール II ◎ 卒業研究 ◎ |
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後期 | 機械工学実習 II ◎ | 機械工学実験 II ◎ | 卒業研究 ◎ | ||
◎ 必修科目、○ 選択必修科目 |